2014/10/28

「もしも建築が話せたら」


ご招待を頂いただき、観てきました。東京デザイナーズウイーク特別上映作品。

「もしも建築が話せたら」

さすがのヴィム・ベンダース。
当然、建築関係者製作のフィルムではなく、空間を使う側・映像を作る側の目線で撮られたドキュメント。

最近業界傾向で、「ユーザーに分かりやすく訴える」が、「なんでも数値化」に置き換わっているように感じます。
建築は本々、構造計算で組み立てられた力学分野を一つの基軸とした、数値の世界です。
近年では、環境等も数値化・体系化されています。もちろん、技術・学術的には、一つの指標として重要です。
ですが、構造以外、空間での様々な数値化は、あくまで「目安」と私は考えます。

空気がこもっていると感じたら「窓を開ける」。
今朝は少し冷えるなと思ったら、一枚余分に羽織る。
当たり前の行動を、建築の技術でコントロールしすぎるのは、如何なものでしょう。
(ハンディキャップのある方々のための空間や、うん十年前に建築されたモノは別です。)

最終的な「空間の心地よさ」は「人の感性」でしか、受けとめる事が出来ない。と、改めて思いました。
昨今の建築業界よりも、ベンダース監督の方が建築をより深く感じているように観えました。



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